おやつの定義
人の場合、クッキーやお煎餅など「食事以外のタイミングで食べるもの」を主におやつや間食と呼ぶことが多いかと思います。では犬の場合はどうなのか、重要なポイントは「主食としてあげられるものなのか、それ以外か」ということです。
特に病気がない健康な犬の場合、主食となりえるのは総合栄養食やAAFCO(米国飼料検査官協会(通称/アフコ))の基準に則ったもの。これ以外は主食にはなりえないため、大雑把に言えばおやつや間食に当てはまります。
食事と一緒にあげていても、栄養基準に沿っていないものはおやつ扱い
食事の分類には、総合栄養食、療法食、間食(おやつ)、その他目的食などがありますが、総合栄養食や療法食以外は主食にはなりえません。例えば、総合栄養食のドライフードに茹でたささ身をトッピングした場合、このささ身は食事ではなくおやつ(トッピング)に分類されます。
おやつの量は1日の摂取カロリーの10%以内が目安
例えば体重5㎏、避妊去勢済みで普通体型、毎日お散歩に行く犬の場合、1日の摂取カロリーの目安は304kcal程度になります。この子がおやつを食べる場合は1日約30kcalまでであれば主食の栄養バランスを大きく崩すことなくおやつを食べることができるというわけです。1日の摂取カロリー304kcalに30kcalのおやつを足してしまうとカロリーオーバーになってしまうため、主食からの摂取カロリーを10%(今回の例の場合は30kcal)減らしてあげる必要がありますのでお忘れなく。
おやつの種類にも気をつけよう
病気がない子の場合、基本的におやつの種類に制限はありませんが、気を付けておきたいポイントをいくつかご紹介します。あげてはいけない、危険、というわけではなく食べすぎには注意しましょう。
・ミネラル類が多い食材:食材の種類によっては尿路結石の原因になるミネラル類を多く含むものがあります。煮干し(マグネシウム、リン)やサツマイモ(シュウ酸)などそればかりをあげ続けるのは避けましょう。
・ドライフルーツなど水分含有量が少ないもの:水分含有量が少ないおやつはその分重さ当たりのカロリーが高いことが多く、小量あげただけですぐにおやつをあげる上限のカロリーに到達してしまう可能性があります。
・骨や蹄などの固いもの:これに限っては危険です。固いものを噛むことで顎や歯に良いと考えてあげてしまうことがあるかと思いますが、実は歯には天敵。歯の摩耗や欠けてしまう可能性があります。噛み砕いた破片で、口の中や消化管を傷つけてしまうリスクもあるためあげないようにしましょう。
犬にとっては大きな楽しみになっているおやつ。適切にあげることで健康と楽しみを両立させてあげてくださいね。手作り食ではいろいろな食材を組み合わせて調理するので、食材の一部をおやつ代わりにあげていただくことも可能です。是非犬のさしすせそのレシピたちをお役立てください。